きつねたてにっき

るる鯖で人狼をプレーしているつるつるの考察。コメントで意見とか残してくれると喜びます。

初日呪殺と位置情報とゲーム性

 この記事は、特にるる鯖における初日の占い先の仕様に関連して、人狼においてメタ的な要素がどう扱われるべきかについて考察したものです。できるだけ、るる鯖でプレーしたことない方にも理解できるように書いていますが、説明が不十分な部分があるかも知れませんがご容赦ください。(この記事は2017年2月に執筆したものです。鯖の仕様や、鯖利用者の文化が変わると内容が古くなる恐れがあります。)
 るる鯖でよくプレーされている方にはSec. 2までの内容は既知のものと思われます。Sec. 3からお読みください。

 

 前提知識:るる鯖の仕様と村陣営の位置情報を使う戦略

 るる鯖では、初日の占い先は、占い師が(夜時間に)自分で選択する仕様になっています*1 。12Bや17Aといった狐入りの配役*2では、占い師がたまたま狐を選択して占った場合には、初日から呪殺がでる可能性があり、その場合には2日目の朝*3に第一犠牲者*4と狐の2死体が発生します。初日に呪殺が発生した場合、真占い師は夜時間に自分で占い先を選択して占っているため、占い先に関するCO文章を準備する時間が十分あるのに対して、占い騙りの人外は朝が来るまで呪殺先が分からないので呪殺先のCO文章を用意するのが大変になります。
 るる鯖では、呪殺時にCOの速度で占い師の真偽がついてしまうのを避けるために、15秒ルール*5というものが実装されています。これは、朝が来て呪殺先が分かってから、発言できるようになるまでに15秒の時間を設けるというもので、CO速度によるメタ推理(CO速度での占い師の真偽の決定)を避けようというアイデアです。
 では、15秒ルールにより、初日呪殺時のメタ推理がなくなるかというと、実はそうではありません。村陣営の戦略として、15秒では書けないような占いCO文を占い師候補に強制するという文化があるからです。具体的には、例えば占い先の「位置情報」を占いCOの文章に書かせるという戦略が存在します*6。るる鯖でプレーしたことの無い方にはピンと来ないと思うので、「位置情報」つきの占いCO文を使っている村の例を貼っておきます。:

No.395603「誰歓12B」村No.394356「誰歓12B」村

 単なる占い先に関する特徴(例えば、どんなアイコンであるかや、キャラクターネームから連想できる内容など)はゲーム開始前に事前に準備できるのに対し、「位置情報」はゲーム開始後にランダムで決まる村ごとに固有のものであるため、事前に作ることが難しいというメリットがあります。「位置情報」の利用は、るる鯖の仕様から発生した村陣営の戦略であり、鯖のルールなどとは独立に存在します。

 呪殺時のメタ推理を避けるための15秒ルールに対し、15秒では書けない文章を書かせる戦略を認めることに違和感を覚える方もいるかも知れません*7*8。この点については、後に詳しく議論します。

 

狼側の対抗戦略:呪殺対応

 では、村陣営の「位置情報」を書かせるという戦略は、初日に呪殺が発生した場合には必ず成功するでしょうか?実はそうではなく、狼陣営はこれに対抗するために、初日に複数の位置情報付きの占いCO文を用意することで、呪殺発生時に対応しようとします。例えば、12Bであれば、狼目線は自分と相方の位置を除いた9箇所*9が呪殺が起きる可能性のある場所になります。相方と分担すれば、初日の夜時間に一人当たり4.5人文の占いCO文を書けば必ず呪殺に対応できることになります。私のタイピング速度でしたら、普通の夜時間設定なら大体3人分くらい書けるので、全部の銃殺対応は無理でも相方と分担すれば6/9=2/3くらいの割合で呪殺対応できることになります。ただし、真占いは夜の全ての時間を一人分の占い文に使えるのに対して、狼は時間が限られているので、どうしても占い文が薄くなりがちです。占いを騙る予定なら、呪殺が発生しない場合にもどれかの占い文をそのまま貼ることになるので、呪殺対応で他の占い文を作っていたために、呪殺が発生しなかった時に貼る本命の占い文が薄くなるようでは本末転倒です。そういう意味では、この複数の占いCO文を作っておいて呪殺対応するという対抗戦略はコストが大きいです。手打ちにより呪殺対応に成功した村の例を貼っておきます。:

No.401793「誰歓12B」村No.392108「初心者もどうぞ 12B」村No.397207「誰歓12B」村No.376748「12Best」村

 別の方法として、位置情報等を含んだ占いCO文を自動で生成するという戦略があります。つまり、村開始後に決まるキャラクターネームの一覧から、全ての人に対する占いCO文をスクリプトで作ってしまうのです。例えば、私の場合はまとめから見れる参加者の名前一覧をコピペして、これを入力として、全ての人に対する占い文を吐き出すコードを書いて使っています。クローム人狼推理ツールのように、誰でも使える形で提供されている呪殺対応のツールはないと思うので、利用者は多くないですが、一定数はそういったツールを自作して呪殺対応されている方はいるようです。 そのようなスクリプトにより呪殺対応に成功した村の例を貼っておきます。:

No.401187「誰歓12B」村No.400964「12B」村

 

位置情報によるメタ推理とゲーム性

 ここまでで、るる鯖における初日呪殺時の現状について説明してきましたが、多くの方は、このように呪殺時に占い文の位置情報等で占い師の真偽がつくことは「本来の」人狼ゲームからはかけ離れていると思われるでしょう。人に依って、考え方に多少の違いはあるかも知れませんが、本来の純粋な人狼の推理要素は

  • 昼間の発言
  • 噛み
  • 投票
  • 占い理由(ただし、その理由は上記の内容から考察できるもので、位置情報等は含まない)

だと思います(正確には、占い理由は昼間の発言に含まれますが)*10

 このように、呪殺時における位置情報による推理は「本来の」人狼の推理要素とは違ったものですが、一概にるる鯖での人狼ゲームには不必要なものだと言っていいでしょうか。元々はそのゲームにおいてバグだったものが仕様となり、ゲーム性を豊かにしているという事例があります。例えば、Counter-Strikeというショーティングゲームにおけるバニーホップ*11というテクニックは元々は、ゲームの物理エンジンのバグだったものが仕様として扱われるようになり、後にゲームに必須のテクニックとして、Counter-Strike自体のゲーム性を豊かにするようになりました。(Counter-Strikeを知らない人には伝わらない例ですみません... 他にもそのような例を知っている方がいれば教え欲しいです。)

 このように、ゲームが元々意図するものでなくても、それ自体をゲームの一部として楽しむという考え方ができると思います。私は、るる鯖における呪殺時の位置情報に依る推理は、「本来の」人狼ゲームの推理要素には含まれないが、上記のような村陣営の「位置情報を使って真偽を決定するという戦略」と、それに対抗する狼陣営の「呪殺対応」という新しいゲーム性を産んだという意味で、一概に存在しない方がいいものとは言えないと思います。(ちなみに、こういった村陣営と狼陣営の争いは、単に一戦だけで完結する話では無く、何度も試合が行われることで生まれたやり取りです。この点についての考察はまた、別の記事で掘り下げて行いたいと思います。)

 こういった要素を、取り入れるべきかなくすべきかは人に依って考えは変わると思います。なくしたいのであれば、鯖レベルでは初日の占い先は朝一にランダムで占い師に伝えられるようにしたり、今のるる鯖の仕様のままでも、初日の占い文の制限を付ける(初日の占い文を結果のみしか書いてはならないという縛りを付けるなど)ことでなくすことはできます。

 

その他のメタ要素

 初日の呪殺時の占い文以外にも、「本来の」人狼ゲームからはズレている「メタ」要素は他にも存在します。私が思いつくものとして、例えば

  1. 夜時間非固定の場合の夜時間の長さに依る役職生存の推測
  2. 吠えによる狼の生存数や作戦の推測

1.
 それぞれ順に説明していきます。るる鯖では、夜時間固定or非固定の設定を村ごとに選べます。夜時間を非固定にすると、占い師の占い実行・狩人の護衛実行・狼の噛みの全てが実行されると夜時間が終わっていなくても夜が明けます。狼側はそれを利用して、狩人や占い師の生存の有無を推測することができます。非固定で噛みを実行したにも関わらず、夜が明けないなら、占い師か狩人が生存してることが狼視点分かります。例えば、占い師が死んでいることが村視点確定している状況で、夜が来たら即噛みを実行してみて夜が明けるかどうか確認することで、狩人の生存を確認することができます。更に、夜が明けない、つまり狩人が生存していることを確認してから、噛みを変更する(ただし、狩人が噛みの変更の前に護衛実行をしないことが条件)ことまで可能です。逆に狩人側は、上記の戦略をとってくる狼に対して、狩人の生存を知られないためには早めに護衛実行を行うことが望ましくなるなります。また、早噛みしような狼像は誰だといった考察を村陣営がすることも可能です。
 こういった非固定における、狼側と村側のやりとりは、初日呪殺時の占い文と同様に、「本来の」人狼からは外れますが、これ自体を含めてゲームとして楽しむという考え方はありだと思います。つまり、夜時間非固定の設定の場合に、狼側は早噛みをすることで情報を収集できるゲームとして楽しむという考え方です。恐らく、この早噛みが可能であるという仕様は狼側に有利に働くと思われます。

 2.
 るる鯖では夜時間に狼同士で会話することができ、村側はその内容を知ることはできませんが、会話(吠え)の回数と長さは知ることができます*12。まず、対面人狼では狼同士で会話することはできないので、この夜時間における狼同士の会話というのはチャット人狼の大きな特徴だといえます。そういう意味ではこの狼同士の夜会話は「本来の」人狼の要素ではないかも知れませんが、狼同士の会話によって、狼陣営はより複雑な作戦を取れるようになるので、この狼同士の夜会話はチャット人狼の利点だと思います。次に、狼同士の会話が出来る場合に、その吠えの回数と長さを村側が情報として見れるかどうかですが、これはチャット人狼でも鯖によって仕様が異なると思います。吠えを村が見れる場合には、例えば、吠えが全く無かった場合にはLWの可能性が高いなどといった考察が可能です。逆に、狼陣営は吠えから狼数を推測されないようにするために、LWでもしっかり吠えたり、2w以上残っているのに、全く吠えないこと(ただし、全く吠え無かった場合は作戦会議をすることができなくなりますが)で村に残り狼数を誤認させる作戦を取ることもできます。
 ここまで挙げたメタ要素は、村の設定やテンプレによって避けることができましたが、この吠えを見れるかどうかはるる鯖では設定で変えることができません。個人的には、吠えが見れるかどうかも、設定で変えられるようになると、より幅広い楽しみ方が出来るのではないかと思います。

 

*1:この仕様は鯖によって異なります。例えば、えけけ鯖などでは、夜が明けた段階でランダムに選ばれた占い先と占い結果が占い師に知らされます。

*2:汝は人狼なりや?@るる鯖wiki - 定番配役村一覧

*3:るる鯖では初日が2日目

*4:初日に必ず噛まれるBOTの名前

*5:汝は人狼なりや? - 機能説明

*6:これ以外にも、初日には占い師に隣の位置を必ず占わせるという作戦もあります。これが徹底されると、第一犠牲者の遺言呪殺以外では人外の占い乗っ取りを防ぐことができます。

*7:正確には、こういった「位置情報」を書かせる戦略が存在するから15秒ルールが完全に無意味かというと、そうではありません。例えば、占い騙りが呪殺用に複数の占いCO文を用意していた場合などには、呪殺発生時に15秒の間に用意しておいた複数の占い文から、呪殺先の占い文を選ぶ余裕ができるので。

*8:「位置情報」によって真占い師が決まるメタ推理を避けるために、村に依っては初日に位置情報等を占いCO文に書くことを禁止するというルール・テンプレを設定している場合もあります。

*9:12人 - 第一犠牲者 - 狼2 = 9人

*10:もちろん、人に依って「本来の」人狼ゲームをどのように定義するかは変わると思いますが、例えば、対面・チャット(短期・長期)に関わらず存在する推理要素のみからなる人狼を「本来の」人狼と考えることができると思います。逆に、「本来の」人狼の推理要素には当てはまらない推理要素を「メタ」と呼ぶことにします。

*11:Strafe-jumping - WikipediaCSバグ | Negitaku.org e-Sports

*12:参考:るる鯖 吠え検証 - Togetterまとめ